ストレス食い・過食の外来

空しさも疲れも、
食べて埋めてしまう。

食べ始めると、全部空にしないと終われない。
その衝動感の抑制を、TMS治療で目指します。

  • いま空しさや疲れを、胃に入れて紛らわす

    →食べる以外の紛らわし方を、増やす

    TMS治療カウンセリング
  • いま食べ始めたら、全部空にしないといけない

    →食べ切る衝動を抑える

    衝動感にTMS治療
  • いま薬で太る・ぼんやりするのはこわい

    →薬以外の選択肢も、検討できる

    TMS治療短期集中TMS治療
神田・桜木町平日夜・土日も診療

TMS治療をするか決める前に、相談できます

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こんなこと、ありませんか?

  • 空しさや疲れを、何か胃に入れて紛らわしたくなる→ 空虚感が背景にあることも
  • 食べ始めると、全部空にしないと終われない→ 衝動感の強さが背景にあることも
  • おいしいと感じないが、入れないと落ち着かない→ 脳のブレーキの低下が背景にあることも
  • 食べたあと、さらに空しくなる→ 食べても感じる空虚感を、カウンセリングで扱います
5,000件以上

TMS治療の症例数(2021年時点)。
薬以外の選択肢として、外来で行っています。

まず知っておきたいこと

ストレス食いとは?

食べすぎとは、少し違います。

食べる目的が空腹ではなく気晴らし
食べてもストレスは消えない
背景にあるのは脳のブレーキの低下
食べたあとも空しさが残ることも
ストレス食いを詳しく読む ↓
セルフチェック

いまの食べ方、
あてはまりますか?

11項目・2分。あてはまるものをタップ。

スマートフォンを手にして、夜に過ごしている様子チェックをはじめる

あてはまる数/ 12

あてはまる項目は、いまのところ少なめです。食べた時間と気分をメモしておくと、傾向が見えてきます。

気持ちと食べ方が結びついているかもしれません。つらさが続くなら、一度ご相談ください。

早めの受診をおすすめします。食べ方のくり返しは、治療で軽くできることがあります。

※診断ではありません。「死にたい」気持ちや、食べて吐くことがあるときは、数に関係なくすぐ受診・相談してください。

当院の外来

食べる量だけを、
追いかけません

食べ方の悩みを聞く女性医師

外来でうかがうのは、食べたくなる場面と、
そのときの気持ちです。

  1. 話す食べ方と
    生活を確認
  2. 記録時間・場面・
    気分をメモ
  3. 整えるTMS・
    カウンセリング
  4. 続ける経過を見て
    調整
  • TMS治療
  • カウンセリング
  • 漢方
心理師とのカウンセリングの様子

食べても晴れない罪悪感やストレスは、
カウンセリングで扱います。

治療の考え方を詳しく読む ↓

薬を使わない選択肢も、お話しします

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このページの監修

田中 伸明医師

医療法人社団ベスリ会
ベスリクリニック 総院長
専門:心療内科・神経内科・睡眠障害内科

17,000人超働く人の心の診療実績
5,000件以上TMS治療(2021年時点)
約20冊著書・監修書籍
20件以上メディア出演・掲載・講演
プロフィールを見る →

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ベスリクリニックの女性医師

食べ方のことから、
話してみませんか。

まずは診察で、いまの状態を整理します。
治療を受けるかどうかは、そのうえで決められます。

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神田院(ベスリクリニック東京)
横浜院(ベスリTMS横浜醫院)
平日夜・土日も診療

詳しく知りたい方へ

ストレス食い・過食の仕組みと
TMS治療・受診の目安

監修:田中 伸明(医師)
医療法人社団ベスリ会 ベスリクリニック 総院長

ストレス食い・エモーショナルイーティングとは

「ストレスがたまると、つい食べてしまう」。外来でよくうかがう悩みです。食べすぎること自体は、誰にでもあります。気になるのは、空腹ではなく、気持ちを紛らわすために食べている場合です。

悲しさ、怒り、不安、孤独。そうした感情から逃げるための食事を、エモーショナルイーティング(Emotional Eating)、いわゆる「ストレス食い」と呼びます。食べている間はまぎれても、解決したい問題は残ったままです。

「食べても食べても満足感がない」「うつうつとした気持ちを紛らわすために、むちゃ食いをしてしまう」「ストレス解消の方法が、ほかにない」。外来で、こうした話はめずらしくありません。

食べたくなること自体は、悪いことではありません。注意したいのは、感情が動くたびに食べることが続き、自分では止められなくなってくることです。習慣になるほど、コントロールは難しくなります。

ストレス食い感情やストレスを紛らわすために食べる
日常の食べすぎ付き合いや空腹の反動で量が増える。気持ちを紛らわす目的ではない
過食量が多く、止めにくい状態。むちゃ食い障害にあたることもある
ストレス落ち込み・不安イライラ焦燥感食べないと落ち着かないEmotionalEating適切な量以上を食べてしまう罪悪感食べすぎたことへ落ち込む
ストレス食いのくり返し(イメージ)

ストレス食い・過食・むちゃ食い障害の違い

3つは重なります。見分けるときは、食べる目的と止めにくさを見ます。診断は医師が行います。

ストレス食いむちゃ食い障害
きっかけストレスや感情が引き金感情のほか、空腹でないときにも起きる
量さまざま短時間に、明らかに多い量
止めやすさ食べ始めても止められることがある止められない感覚が強い
食後罪悪感・自己嫌悪が出やすい強い罪悪感や恥ずかしさ。隠れて食べることも
ストレス食いが続き、止められない感覚が強いときは、むちゃ食い障害の可能性もあります。

どちらに近いかは、量そのものより、止められない感覚、ひとりで隠れて食べるか、食後の落ち込みの強さで変わります。外来では、食べる前の気持ち、食べている間の様子、食べたあとの行動の3つを順にうかがいます。

「ストレス食いだから軽い」「むちゃ食い障害だから重い」と、自分で決める必要はありません。名前より、いまのつらさが続いているかどうかが大事です。

ストレス食いの特徴|こんな食べ方に出ます

あてはまる場面が多いほど、食べ方が気持ちと結びついている可能性があります。

  • 机の中やカバンに、いつもお菓子を置いている引き出しの奥に、買い置きのチョコがある
  • 味わわずに、一度にたくさんの量を食べるテレビを見ているうちに、袋が空になっている
  • 気晴らしを、食べることに求めてしまう嫌なことがあった日は、帰りにコンビニへ寄る
  • 限界まで満たさないと、不安になる苦しいのに、もう一口で終われない
  • ストレスを感じると、いつのまにか食べ物に手が伸びる会議のあと、気づくと席でお菓子を開けている
  • 食べたあとに、罪悪感がある「また食べてしまった」と、その夜は何も手につかない
  • お腹いっぱいなのに、食欲が止まらない満腹なのに、冷蔵庫を開けてしまう
  • 空っぽな感じを、何か胃に入れて埋めたくなる夜、ひとりで部屋にいると、何か入れないと落ち着かない
  • 食べたいわけではないのに、食べないと落ち着かないお腹は空いていないのに、冷蔵庫の前に立っている
  • 食べても、あとにさらに空しさが残る食べ終えたとき、食べる前より空っぽに感じる
  • 味わって食べられない何を食べたか、あとで思い出せない
  • 食べ始めると、全部空にしないと終われない切迫感がある袋や容器が空になるまで、手が止まらない

ここに挙げたのは、外来でよくうかがう場面です。1つあてはまれば病気、という意味ではありません。大事なのは、食べたあとにどうなるかです。落ち着くのか、自分を責めて余計につらくなるのかで、見方が変わります。

食べたいわけではないのに食べる|空虚感との関係

「食べたいわけではない。でも、空っぽな感じを埋めるために、何か胃に入れないといけない気がする」。外来では、こうした言い方で相談されることがあります。空腹ではなく、空虚感に対して食べている状態です。

食べた直後は、胃が満たされて、いったん落ち着きます。ただ、空しさの元は胃にありません。そのため、食べたあとにさらに空しくなることがあります。

食べている間味わう余裕がなく、量や速さを気にする余裕もない
食べた直後胃の重さで、いったん紛れる
食べたあと空しさが戻る。罪悪感が重なることもある
次の日同じ場面で、また食べたくなる

「味わって食べられない」「何を食べたか、あとで思い出せない」。食べることが目的ではなく、空っぽな感じを埋める手段になっているときに、起こりやすいと考えられます。

食べ始めると、全部空にしないと終われない。こうした切迫感をうかがうこともあります。衝動感の強さと関係すると考えられ、TMS治療は、この衝動感を抑えることを目指す治療のひとつです。

空虚感が強い、気分の落ち込みや興味の低下が続くときは、うつ状態が重なっていることもあります。食べ方だけでなく、気分や睡眠もあわせて診察で確認します。

ストレス食いの原因|脳で起きていること

過食傾向がある人の研究では、背外側前頭前野(DLPFC)の活動が低下し、認知制御の機能が弱まっていることが報告されています。衝動にブレーキをかける部分が働きにくくなり、過食衝動を抑えられなくなる、という考え方です。

落ち込み・不安・寂しさ・イライラが続くと、ぐるぐる思考のネットワークDMN(デフォルト・モード・ネットワーク)が過活動になります。すると前頭前野の働きは、さらに下がります。

DLPFCは、先のことを考えて「いまは我慢しよう」と判断する部分です。ここが弱ると、頭ではわかっていても、手が伸びます。食べてしまう人の頭の中では、「やめたい」と「止められない」が同時に起きています。

意志が弱いのではなく、ブレーキの効きが落ちている。ストレス食いを、まずこの見方で捉え直します。

前頭前野(PFC)認知・意思決定線条体(STR)動機づけ・学習扁桃体(AMY)情動視床下部(Hyp)摂食の制御これらが連携して食べる量を調整します
摂食に関わる脳の部位(イメージ)。成清・粟生(2010)の図を参考に作成。

食べると一時的に楽になる理由

食べることに意識が向くと、ぐるぐる思考から離れられます。食べている間だけ、ストレスを考えずにすむ。これが、くり返してしまう理由のひとつです。

ただ、食べ終わると、ストレスは元の場所にあります。そこへ罪悪感が加わることもあります。

強い弱いストレスの強さ帰宅直後夕方食べている間食後就寝前食べる間は下がる罪悪感で戻るゆるやかに下がる食べて紛らわした日食べる以外の対処ができた日
1日のストレスの強さ(イメージ)。個人差があります。

「何かを食べないと落ち着かない」のも、同じ仕組みです。過食は、ストレスから「回避」するための対処行動と考えられています。やめると回避できなくなり、落ち着かなくなります。

この「回避」は、悪い習慣というより、そのとき見つけた精一杯の対処です。ただ、食べることが唯一の出口になると、ストレスの元には手がつかないまま、食べる回数だけが増えていきます。

「エモーショナルイーティング」や「ストレス食い」は、習慣になると、自分ではコントロールしにくくなります。早い段階で、ほかの出口を持つことが大切です。

なぜやめられない?衝動性・報酬・セロトニン

過食の背景には、2つの傾向が関わると考えられています。

  1. 1性急自動衝動性思い立つと、すぐ行動に移してしまう。前頭葉や線条体の回路と関連
  2. 2報酬感受性少なくても、早く報酬を得たくなる。反復する過食と関連(線条体)
  • 思い立ったら、その場で買いに行く「食べたい」と思った10分後には、もうコンビニにいる
  • 少しでは満足できず、すぐ次がほしくなるひと口のつもりが、気づくと袋の底が見えている

ストレスを感じると、前頭葉や脳幹部のノルアドレナリンが増えます。報酬系が刺激されて、過食の欲求が増す可能性があります。

どちらの傾向も、性格の良し悪しではありません。脳の回路の働き方の違いとして見ると、「やめられない自分」を責める理由が減ります。責める時間が減ると、次の手を考える余裕が生まれます。

甘いもの・パン・揚げ物が止まらないのはなぜ

前頭前野の働きが落ちたり、ストレスでセロトニンが足りなくなったりすると、甘いもの、パンやお米などの炭水化物、揚げ物など脂肪分の多いものが食べたくなると考えられています。

「ある時期から、夜にパンばかり食べるようになった」。好みの変化として流さず、受診で話してほしいサインです。

セロトニンは、気分や満腹感に関わる物質です。ストレスが続くと足りなくなると言われます。足りない感じを手早く補えるものを、体が求める。そのとき選ばれやすいのが、糖質と脂質です。

そのため、「甘いものをやめる」だけでは解決しにくくなります。食べ物の種類より、食べたくなる状況を見ていきます。

ストレス食いになりやすい人の特徴

  • ストレス解消が、うまくできない趣味や運動の習慣がなく、気晴らしが食べることしか思いつかない
  • ストレスがたまると、甘いものや油ものをむちゃ食いしてしまう仕事が詰まった週は、夜に揚げ物とお菓子をまとめて買う
  • 結果を出そうと、頑張りすぎてしまう休日も仕事のことが頭を離れず、気を抜く時間がない
  • 自分の感情を、うまく相手に伝えられない腹が立っても言い返せず、帰り道に食べて収める
  • 周囲から「いい人」と言われる頼まれると断れず、引き受けたあとで疲れ切る

共通するのは、感情の出口が少ないことです。性格の欠点ではなく、出口が食べることに偏っている状態と考えます。

ストレス食いは病気?診断は?

「ストレス食い」は医学用語ではなく、病名でもありません。ただし、止められない感覚が強く、頻繁に、数か月続くときは、むちゃ食い障害などの摂食障害にあたることがあります。

むちゃ食い障害では、短時間に明らかに多い量を食べる、食べている間は止められない感覚がある、食べたあとに強い罪悪感がある、といった特徴が、数か月にわたって続くことが目安になります。

診察では、次のことをうかがいます。

食べ方量・頻度・止めやすさ
食後の行動吐く・下剤を使うなどがあるか
気分と睡眠落ち込み、不安、眠れているか
体の状態体調や体重の変化

診断は、問診などをふまえて医師が行います。インターネットのチェックだけで、決めつけないでください。診断名にかかわらず、つらさが続くなら相談の対象です。

仕事で疲れた日に、食べてしまうとき

外来でうかがうのは、「会議のあと」「帰りの電車」「家に着いた瞬間」に食べたくなる、という場面です。

  • 責任の重い仕事をしたあとプレゼンのあと、帰りに菓子パンを2つ買う
  • 人に気を使い続けた日会議で意見を飲み込んだ日は、家で止まらなくなる
  • 夜、ひとりになったとき家に着いて、着替える前に冷蔵庫を開ける

疲れとストレス食いが結びつくと、食べることが「1日の終わりの儀式」になります。やめようとすると、その日の疲れを受け止める場所がなくなってしまうので、難しく感じるのは自然なことです。

仕事で頭を使い切った夜は、我慢や判断を担う前頭前野も疲れています。ブレーキが効きにくい時間帯、と考えてください。

夜の過食が続く人は、睡眠が乱れていることも少なくありません。眠りのことも、あわせて相談してください。

ストレス食いが続くと起きること

過食が続くと、体にも影響が出ます。

体重増加食べる量の増加が続くと起こりやすい
唾液腺の肥大頰やあごの下が、ふくらむことがある
誤嚥性肺炎食べ物や吐いたものが肺に入って起こることがある
逆流性食道炎胸やけや、酸っぱいものが上がってくる感じ
虫歯食べる回数が増え、歯に糖が残りやすい

また、過食のストレスから摂食障害に進み、無理に食べたあとで吐くようになる人もいます。

次のときは、早めに受診してください

食べたあとに吐く、下剤を使う/体のふらつき、強い動悸/「消えたい」「死にたい」と考える。

ストレス食いは何科?受診の目安

相談先は心療内科・精神科です。体の数値が気になるときは内科も使えますが、気持ちと食べ方の結びつきは、心療内科で見ます。

受診の目安は、量よりも、くり返しているかと生活に影響が出ているかです。迷う段階で来ていただいて、構いません。

内科胃の不調や体重の変化など、体の面を確認
心療内科食べ方と気持ちの結びつき、ストレスの整理
精神科気分の落ち込みや摂食障害が強いとき
「死にたい」気持ちがある食べて吐く・下剤を使う体の異変がある?すぐ受診・相談を食べ方のせいで、仕事・体調・人づきあいに影響が出ている?心療内科で早めに相談食べたあとの罪悪感や、食べないと落ち着かない感じが続いている?一度、相談してよい段階はいはいはいいいえいいえいいえいまは食べた時間と気分を記録して、様子を見る。続くようなら受診を。
受診の目安(イメージ)。最初に、緊急性の高い症状を確認します。

すぐに受診・相談を

「死にたい」気持ちがあるとき、食べて吐くことがあるとき、体の異変があるときは、予約を待たずにご連絡ください。夜間・休日で急ぐときは、救急外来や自治体の相談窓口へ。

ストレス食いの治療・カウンセリング|当院の考え方

食べる量だけを減らそうとしても、うまくいきません。当院では、食べたくなる場面と、そのときの気持ちから整理します。

  1. 1診察食べ方、睡眠、仕事の状況をうかがう
  2. 2記録食べた時間・場面・気分をメモする。紙でもアプリでも
  3. 3治療カウンセリング、TMS治療。必要に応じて薬や漢方
  4. 4見直し衝動の出方を見て、進め方を調整する

カウンセリングでは、食べる前の気持ちに気づく練習をします。「いま、不安だから食べたい」と言葉にできると、食べる前に選べる時間が生まれます。

記録は、たとえば次のような形で十分です。

21:30 帰宅直後上司の言葉を思い出していた。気分は不安。ポテトチップスを1袋
15:00 会議のあと意見を言えなかった。気分はイライラ。席でチョコを数粒
23:00 就寝前食べたことを後悔。気分は自己嫌悪。何も食べていない

当院では、「食べてはいけない」と決めることから始めません。禁止すると、かえって衝動が強まりやすいからです。睡眠が乱れているときは、眠りの治療を先に整えることもあります。

薬は太りそうで怖い|抗うつ薬と体重の不安

「抗うつ薬や、心の薬で、太ったりぼんやりしたりするのは嫌だ」。食べ方で悩んでいる方ほど、この不安は強く出ます。もっともな心配です。

薬の種類によっては、食欲や体重が増えたり、眠気やぼんやり感が出たりすることがあります。出方は薬によって、人によって違い、全員に起きるわけではありません。

最初に伝える体重や食欲の変化が不安だと、初回の診察で話してください
自己判断で中断しない飲み始めたあとに怖くなっても、自分でやめず、処方した医師に相談を
薬以外の選択肢カウンセリングやTMS治療も、状態によって検討できます

TMS治療は、頭の外から磁気刺激を行う治療で、全身への薬理作用はありません。ただし、「副作用がない」「必ず食べ方が変わる」とは言えません。受けられない条件もあります。

薬を使うかどうかは、状態を見て決めます。「太るから使わない」と先に決めるより、不安ごと診察で話していただくほうが、選べる幅が広がります。

体重への不安がとても強い、食べない・吐くことがある、というときは、そのことも必ず話してください。

TMS治療でストレス食いを調整する

TMS(経頭蓋磁気刺激)は、頭の外から磁気で脳を刺激する治療です。薬を使わず、副作用が比較的少ない治療として行われています。

ストレス食いでは、背外側前頭前野(DLPFC)を刺激します。前頭前野の働きを高めることで、気分の波や「食べないと落ち着かない」感じをやわらげ、食べたい衝動の調整を目指します。

1回の治療は、椅子に座った状態で、頭に当てたコイルから刺激を受ける形です。この考え方は、前頭前野が下がると衝動を抑えにくくなる、という上の仕組みに沿っています。

TMS治療が働きかける部分(イメージ)ストレス落ち込み・不安イライラ焦燥感食べないと落ち着かないEmotional Eating適切な量以上を食べてしまう罪悪感食べすぎたことへ落ち込むTMS治療前頭前野(DLPFC)を刺激し、ストレスと焦燥感の波をやわらげて、食べたい衝動の調整を目指します
くり返しのどこに働きかけるか(イメージ)。効果には個人差があります。
向いている例薬に頼りすぎたくない/記録だけでは衝動が変わらなかった
受けられない場合頭や体内に金属がある、けいれんの既往があるなど。診察で確認します
回数・費用診察でご案内します

食事量が必ず調整できるわけではありません。可能性がある治療のひとつとして、診察で適応を確認します。

カウンセリングと組み合わせることもあります。刺激で衝動の波が下がった時期に、食べる前の気持ちに気づく練習を重ねる、という考え方です。

自分でできる工夫|食べる前の10分

衝動は、強くても、波のようにおさまることがあります。止めようとするより、間を置くところから始めます。

  1. 1場所を変える水を飲む、顔を洗う、外に出る
  2. 2気持ちに名前をつける「いま、不安だ」「腹が立っている」
  3. 310分たってから決めるそれでも食べたければ、食べてよい
  4. 4食べたら、メモする時間と気分だけ。自分を責めない

食事を抜いて帳尻を合わせようとすると、反動が出やすくなります。食事の整え方は、診察で相談してください。

環境でひと手間を足すのも方法です。机やカバンにお菓子を置かない。買い置きを、目に入らない場所にしまう。食べる前に、いったん席を立つ。意志に頼らず、手を伸ばすまでの距離を延ばします。

家族・身近な人ができること

食べたあとの本人は、すでに自分を責めています。そこへの指摘は、隠れて食べることにつながりやすくなります。

  • 食べる量や体型には、触れない「また食べるの?」は言わない
  • 「やめなさい」より「何かあった?」と聞く夜の台所で、責めずにひとこと声をかける
  • 隠れて食べていても、責めない袋やゴミを見つけても、その場では何も言わない
  • 受診の話は、本人のペースで出す「少し疲れて見えるから、一度相談してみない?」

家族だけで抱えなくて構いません。付き添い受診もできます。

用語集

空虚感
心の中が空っぽに感じる状態。食べることで埋めようとする人もいる
ストレス食い
感情やストレスを紛らわすための食事。医学用語ではない
エモーショナルイーティング
Emotional Eating。感情が引き金になる食べ方
むちゃ食い障害
短時間に多量を食べ、止められない感覚が続く摂食障害のひとつ
DLPFC(背外側前頭前野)
判断や我慢など、衝動のブレーキに関わる部分
DMN(デフォルト・モード・ネットワーク)
ぼんやりしているときに働く、ぐるぐる思考のネットワーク
性急自動衝動性
思い立つとすぐ行動に移す傾向
報酬感受性
少なくても、早く報酬を得たくなる傾向
線条体
動機づけや学習に関わる、報酬系の部位
TMS(経頭蓋磁気刺激)
頭の外から磁気で脳を刺激する治療
認知行動療法
考え方と行動のくせに気づき、見直す心理療法

よくある質問

症状・診断

ストレス食いとむちゃ食い障害は、何が違いますか?

ストレス食いは、感情を紛らわすために食べる行動の呼び名です。むちゃ食い障害は、短時間に多量を食べ、止められない感覚が続く病気です。診断は診察で行います。

食べすぎてしまうのは、病気ですか?

一時的な食べすぎは、誰にでもあります。止められない感覚が強い、くり返す、生活に影響が出ているときは、相談の目安です。

太っていなくても、受診してよいですか?

はい。体型に関係なく、食べ方でつらいなら受診の対象です。

夜になると食べてしまいます。なぜですか?

日中に使い切った前頭前野のブレーキが、夜は効きにくくなると考えられています。睡眠の乱れが関わることもあります。

甘いものだけ止まらないのは、なぜですか?

ストレスや前頭前野の機能低下、セロトニン不足が、糖質や脂質への欲求に関わると考えられています。

食べたあとに吐いてしまうことがあります。受診したほうがよいですか?

はい。早めの受診をおすすめします。体への負担が大きく、摂食障害の可能性もあります。

食べたいわけではないのに、何か口に入れないと落ち着かないのはなぜですか?

空腹ではなく、空しさや落ち着かなさを埋めるために食べている可能性があります。脳のブレーキの低下や、ストレスからの回避が関わると考えられています。

食べ始めると、全部食べ切らないと終われないのはなぜですか?

食べたい衝動のブレーキが効きにくくなっていることが、背景にあると考えられています。TMS治療は、この衝動感を抑えることを目指す治療のひとつです。効果には個人差があります。

食べたあとに、さらに空しくなるのはなぜですか?

空しさの元は胃にないため、食べても解消されにくいと考えられます。罪悪感が重なることもあります。気分の落ち込みが続くときは、うつ状態の確認も必要です。

味わって食べられないのは、なぜですか?

食べることが、空っぽな感じを埋めたり、気を紛らわしたりする手段になると、味わう余裕がなくなりやすいと考えられます。

満腹なのに食べてしまうのは、なぜですか?

お腹ではなく、気持ちが食べさせているためです。ストレスから離れる手段として、食べることが働いています。

原因

意志が弱いから、ストレス食いをしてしまうのですか?

いいえ。衝動を抑える前頭前野の働きが弱まっていると考えられています。意志の問題ではありません。

脳のどこが関係していますか?

前頭前野(認知・意思決定)、線条体(動機づけ・学習)、扁桃体(情動)、視床下部(摂食の制御)などが関わります。

セロトニンと食欲には関係がありますか?

あります。ストレスでセロトニンが足りない状態は、炭水化物や脂肪分の多いものを求める行動につながる可能性があります。

生理前に食欲が止まらなくなるのも、ストレス食いですか?

生理前の食欲の変化は、ホルモンの影響もあります。毎月決まった時期に強まるなら、そのことも診察でお話しください。

寝不足だと、食べすぎてしまいますか?

睡眠不足は、衝動のブレーキを弱めると考えられています。眠りの相談も、あわせてできます。

ストレス食いは、性格の問題ですか?

性格の欠点ではありません。我慢しがち、感情を伝えにくいといった傾向があると、出口が食べることに偏りやすくなります。

TMS治療

TMS治療とは、何ですか?

頭の外から磁気で脳を刺激する治療です。薬を使わず、副作用が比較的少ない治療として行われています。

TMS治療は痛いですか?

頭に当たる刺激を感じることがあります。強さは調整できますので、気になるときはその場でお伝えください。

ストレス食いに、TMS治療は効きますか?

前頭前野(DLPFC)を刺激して、食べたい衝動の調整を目指します。効果には個人差があり、必ず効くとは言えません。

TMS治療を受けられない人は、いますか?

頭や体内に金属がある方、けいれんの既往がある方などは、受けられないことがあります。診察で確認します。

TMS治療は、何回くらい通いますか?

状態により異なります。回数と期間は、診察でご案内します。

TMS治療と、薬は併用できますか?

併用できることが多くあります。いま飲んでいるお薬は、そのままお伝えください。

TMS治療の効果は、いつ頃から感じますか?

人によって差があります。気分の波や衝動の出方がどう変わるかを、記録しながら確認します。

カウンセリング・薬・漢方

カウンセリングでは、何をしますか?

食べたくなる場面と、そのときの気持ちを言葉にする練習をします。食べる前に選べる時間をつくることが目的です。

抗うつ薬や心の薬は、太りそうで怖いです。ぼんやりもしますか?

薬の種類によっては、食欲や体重が増えたり、眠気やぼんやり感が出たりすることがあります。全員に起きるわけではありません。不安は初回の診察で話してください。薬以外の選択肢も、あわせて相談できます。

体重が増えるのが怖くて、薬を飲みたくありません。どうすればよいですか?

そのお気持ちを、そのまま診察でお話しください。薬を使わない方法も含めて、状態に合う進め方を決めます。

飲んでいる薬で食欲が増えた気がします。自己判断でやめてもよいですか?

自己判断でやめず、処方した医師に相談してください。急にやめると、体調が不安定になることがあります。

薬は使いますか?

状態に応じて検討します。まず、薬を使わない方法も含めて、選択肢をお話しします。

漢方は使えますか?

体質や症状に合わせて、使うことがあります。診察でご相談ください。

薬に頼らずに、良くなりますか?

薬を使わずに進められる方もいれば、使ったほうが楽になる方もいます。診察で、いまの状態に合う方法を決めます。

食事制限(ダイエット)をしたほうがよいですか?

厳しい制限は、反動の過食を招きやすくなります。自己流で始める前に、診察で相談してください。

受診・通院

何科を受診すればよいですか?

心療内科・精神科です。気持ちと食べ方の結びつきを診ます。

初診では、何を聞かれますか?

いつ頃から、どんな場面で食べたくなるか、睡眠、仕事の状況、これまでの病気やお薬などをうかがいます。メモを持参しても構いません。

仕事を続けながら通えますか?

はい。多くの方が働きながら通院しています。通院の頻度は、仕事に合わせて相談できます。

夜や土日も受診できますか?

平日の夜と土日も診療しています。空き状況は、予約ページでご確認ください。

どのくらいで良くなりますか?

期間は人によって異なります。衝動の出方や、食べたあとの気持ちの変化を見ながら、続け方を決めます。

家族の方へ

家族がストレス食いかもしれません。どう声をかければよいですか?

量や体型には触れず、「最近、疲れていない?」と気持ちを聞いてください。食べたことを責めないのが基本です。

家族が付き添っても、大丈夫ですか?

付き添いは可能です。ご本人が話しにくいことを補っていただけると、状態を把握しやすくなります。

本人が、受診を嫌がります。どうすればよいですか?

無理に連れて行かず、まずご家族だけの相談もできます。本人のペースで話題にしてください。

参考にした情報

  • ストレス関連疾患としての摂食障害 – 脳画像研究によるアプローチ –/佐藤康弘,福土審(東北大学病院心療内科,東北大学大学院医学系研究科行動医学分野)/心身医学 57(8): 790-796, 2017.
  • 前頭前野・大脳辺縁系・大脳基底核による摂食調節機構/成清公弥,粟生修司(九州工業大学大学院生命体工学研究科脳情報専攻)/アディポサイエンス 6(3): 224-229, 2010.
  • 肥満症治療のために-高次脳への配慮-/千葉政一,坂田利家(大分大学医学部第1内科,中村学園大学大学院栄養科学部)/The Lipid 15(3): 253-259, 2004.

最終更新日:2026年11月6日/監修:田中 伸明 医師

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