2020年5月に開院してから、2500名以上(ベスリグループ全体で4000名以上)の方にTMS治療をご利用いただきました。
これまでに当院を受診された方の割合と、治療ケースを紹介します。
※個人が特定できない程度に内容に変更を加えています。
目次
当院を受診した方の属性について
年齢の割合
性別の割合
▶︎仕事による脳疲労・ブレインフォグ
【24歳男性】4ヶ月前の部署移動の後、何事にもやる気が湧かなくなった
これまでに心療内科・精神科受診歴のない方。4ヶ月前に仕事で異動になった後から、仕事の量が少なくやりがいを感じない・やる気がわかない・気力が出ない・人に会うのも億劫な状態となりました。近所の心療内科を受診し、薬での治療が必要と言われ処方されましたが、薬を飲むことに抵抗があり、ほとんど飲むことはありませんでした。
翌月、別のクリニックを受診したところTMS治療を勧められ、通いやすさを重視した結果、低価格でTMS治療を行なっている当院へ来院されました。
初診時には「本来は部長に業務内容について相談することが必要だとわかっているが、人と話すのも億劫になり相談できていない」「前のように、自分から発信できる状態に戻りたい」とおっしゃっていました。
意欲を改善して自分から発言できる状態に戻るために、約3週間、1日3回の短期集中治療を行いました。
TMS治療10回目では改善の自覚症状はあまり感じていないとお話されていましたが、治療20回目時点では中途覚醒もなくなり、億劫な感じが以前より少しずつ良くなっている感じとおっしゃっていました。
治療30回目には、食欲も増えてやる気が出てきたとお話され、短期集中治療を終え地元へ戻られました。
【35歳女性】ストレスで退職した後も過眠やぐるぐる思考が続き、短期集中TMS治療を行った
前にしていた仕事は、人間関係のストレスが強く2年前に退職されました。仕事を辞めたタイミングペットが亡くなり、意欲が低下し、外出が億劫で家から出られず、悪いことばかり考えてぐるぐる思考が続く、といった状態になりました。また、生活が不規則になり、1日11時間程度の過眠状態となっていました。
短期で治療できるTMS治療を試してみたいと希望されました。お住まいが四国と遠方であったため、まずオンライン相談を行い、TMS治療について気になっていることや症状についてヒアリングを行った上で後日来院されました。
初診時には「急に不安になることがよくあり、家事などやらなくてはいけないことができない」とお話しされました。当日から、抑うつに対する短期集中TMS治療を開始しました。
治療10回目のフィードバックでは、治療3−5回目から調子いい感覚があり、寝つきも良くなったとお話しされていました。
治療20回目には心理検査上も点数が大きく改善されており、起床困難・中途覚醒・不安感やぐるぐる思考が改善したとお話しされていました。
合計20回で生活に支障がない程度まで改善したとのことで、治療を終了し帰宅されました。今後は状態が悪化した際などに再度来院されるとのことです。
【41歳男性】1年経っても仕事に慣れず、集中力が低下し抑うつ状態となった
1年前から公務員として働き始めました。なかなか仕事に慣れることができず、睡眠障害、仕事が覚えられない、集中できないことで周りの目を気にするようになり、2ヶ月前から他院精神科クリニックへ通い始めました。
その後も自分の仕事のできなさや効率の悪さをひけめに感じ、焦りが強くなって症状改善のために当院初診となりました。
初回診察時の問診では、食欲は問題なく、日頃の散歩などはできているようでした。仕事以外に明らかなストレス源は見当たらず、俗に言う”脳疲労”の状態と考え、ベーシックTMS治療を実施しました。
治療10回目には、心理検査スコア上では若干の改善を認めましたが、ご本人はあまり自覚症状がないようでした。
治療20回目には「いままですぐには眠れなかったが眠れるようになってきた」「朝のスッキリ感を感じられるようになった」「前にくらべるとだいぶ決断力があがり素早く決められるようになった」とお話しされました。
その後は少し頻度を落としてメンテナンス治療を行いました。治療30回目には心理検査上も問題ない範囲となり「初診時に比べ随分と良くなった」とお話されていました。
▶︎受験うつ
【18歳女性】周期的に落ち込みの波があり、学校に行けない日がある(受験生)
半年前に調子の悪さに波があることに気づき、PMSと思い産婦人科を受診されましたが、お薬にあまり効果を感じられなかったようです。
十分に睡眠をとっていても眠気が強く、学校も休む日が増えていました。また、休日は朝から落ち込みがちであり、学校に行けても家に帰ってから落ち込みが強い状態でした。調子の悪い時はペンを持つだけでも涙が出ることがあったようです。
ご家族が当院のTMS治療を受けて改善しているのを見て、ご自身も希望されて来院されました。
10回目の時点では、「何となく良くなった感じ」とおっしゃっていました。将来についても、今よりも幸せかもしれないと腑に落ちることが出てきたとのことでした。
試験に向け勉強習慣をつけたいとのことで、同じペースで治療を行いました。
治療20回目のフィードバックでは「かなり良くなった」とおっしゃっていました。
たまに波はあるけれど、勉強習慣もついたとお話されていました。
20回目以降は効果を安定させるために、治療の間隔を開け、現在も月に1回のペースで通院されております。
▶︎うつ病
【35歳男性】うつ病に対して薬物治療中、連休を利用し遠方から短期集中TMS治療を行った
うつ病として2年前から他院にて薬物治療を行っている方です。発症のきっかけは、新型コロナウイルス感染症の影響で業務量が大幅に増え、ストレスが強くかかったことであったようです。趣味などへの興味も薄れ、夜の眠りも浅くなり、頭が働かない状態が続きました。
抗うつ薬を内服してうつ症状は改善しているものの、精神的な疲労感を改善して意欲を出したいとのことで、TMS治療を希望されました。
お住まいが遠方であるため、ゴールデンウィーク中に来院され、4月30日〜5月6日にかけて短期集中TMS治療を行いました。
10回時点では頭がスッキリして精神的な疲労は軽くなったとのことでした。睡眠に関しても以前よりは眠れるようになったと効果を実感されていらっしゃいました。身体的な倦怠感はまだ残っているとのことでした。
20回時点では「倦怠感もそこまで感じなくなった」「頭のモヤも減ってきた」「少し気が軽くなったように感じる」とおっしゃっていました。
ゴールデンウィーク期間中に20回を終えて帰宅されました。その後はメンテナンスとして、3連休などを利用して東京に来られ、TMS治療を行っていただいています。
▶︎コロナ後のブレインフォグ
【36歳男性】新型コロナ感染後3ヶ月継続する落ち込み・集中力低下が3週間の治療で大きく改善した
もともと寝付けないことがたまにあり、頓服のマイスリーを処方され使用していました。受診3ヶ月前に新型コロナウイルスに感染してから抑うつ症状が出現し、3ヶ月たっても改善しないため当院におけるTMS治療を希望されました。
初診時には集中力の低下、憂鬱な気持ちを感じていました。
仕事やプライベートを含めて特にストレス要因は思い当たらず、コロナ後遺症を想定して1日2回のTMS治療を開始しました。
10回目の時点では、連休が重なった要因もあるものの、気分も落ち込むことはなくなったとのことでした。ぼーっとするブレインフォグのような症状は継続するものの、多少良くなったと仰っていました。
10回目以降は通院頻度を徐々に落として継続しました。
20回目の時点では睡眠の質も良くなり、特に気になる症状は全てなくなったと仰っていました。20回時点で治療を終了としました。