薬に頼らない更年期のこころの治療

目次

~更年期とは? 更年期のこころの不調~

つらい不調が起きるのはなぜ

頭が重い、体がだるい、眠れないなどの体調不良がでてきた。「身体の病気かも?」と検査をしたが異常がない。そんな心配や不安が大きくなる・・・更年期だから仕方がない・・・とあきらめた気持ちになっていませんか?

特に、更年期の心の不調はなかなか周りがわかってくれない抗うつ薬は怖くて受診しても仕方がない…と悩む方も少なくありません。

女性の多くは50才前後で生理(月経)が止まる閉経を迎えます。この閉経を挟んだ前後5年の約10年間を更年期と呼んでいます。この時期は卵巣の低下により女性ホルモンの分泌量が減少します。

多種多様な不調が起こるのは、老化の早い卵巣が脳からの指令に応えられず、自律神経が乱れてしまうことでカラダとこころの不調が起こります。

不調が起きる3つの要因

一般的には、上の図のように3つの要因が考えられています。女性ホルモンが急激に減少する直接的な要因に加え、その人が持っている体質、気質そのときの生活環境が複雑に絡みあい症状が出やすくなります。要因が重なっている方は特につらい症状が出やすいです。

更年期のこころの不調 ~情動トラブル TOP 10~

  • イライラ 怒りっぽい
  • 意欲の低下・やる気が出ない
  • 涙もろく、神経過敏
  • 情緒不安定
  • 物忘れ、記憶力の低下
  • 不安感 ・焦燥感
  • うつ気分 ・理由なく悲しくなる、涙がでる 落ち込む
  • 睡眠障害(入眠障害・中途覚醒・熟睡障害・早朝覚醒など)
  • 集中力がない 段取りが悪い
  • 自己否定・自己嫌悪感

更年期の治療では、HRT(ホルモン補充療法)や漢方薬、抗うつ剤、抗不安薬、睡眠薬が処方されることもあります。HRT(ホルモン補充療法)で、ホットフラッシュのほてりや手足のこわばりなどの改善、漢方薬で心身の症状全体が和らぐことがある一方、おちこみやイライラなどの心の波がなかなか改善しないと悩まれる方もいます。

HRT(ホルモン補充療法)で緩和・改善が期待される症状ベスト10

  • ホットフラッシュ  のぼせ ほてり 多汗
  • だるさ、つかれやすさ、倦怠感
  • イライラやうつなどの精神症状
  • 動悸 息苦しさ
  • 膣の乾燥、膣炎、性交痛
  • 手指のこわばりや関節痛
  • 頻尿、尿漏れ
  • 皮膚の乾燥 痒み  ドライマウス
  • 睡眠障害

参考)「更年期障害におけるホルモン補充療法に関する実態調査結果報告書2015年」

日本では、更年期治療を受けている女性は約20%、ほとんど症状がない女性約20%、残りの60%の女性は症状があっても治療を受けていないといわれていますが、実際にHRTを受けることで大半の方は効果を感じています。

HRT(ホルモン補充療法)で、ホットフラッシュのほてりや手足のこわばりなどの改善、漢方薬で心身の症状全体が和らぐことがある一方、おちこみやイライラなどの心の波がなかなか改善しないと悩まれる方もいます。

また以下のようなお悩みや不安を持つ方もいらっしゃいます。

  • お薬の副作用や依存が怖い
  • 仕事や家事をしているときに副作用で眠気や、集中力が落ちてしまうのが怖い。
  • 今飲んでいるお薬との飲み合わせや薬の数がどんどん増えてしまわないか心配。
  • お薬を飲むといつまで飲めばいいのか心配になる。(治療期間が決まっていてほしい)
  • お薬だけでお腹がいっぱいになりそう
  • 乳がんや子宮体癌、子宮内膜症などエストロゲンに反応する病気でホルモン療法をすることができない。
  • 漢方薬は飲みにくくて苦手。

抗うつ剤や抗不安薬、睡眠薬などのこころのお薬は効果的な反面、女性の身体に影響があるかもしれない、お薬がこれ以上増えると怖い、依存してしまうかもしれないなどの不安をご相談いただくこともあります。

当院ではそのような女性にぴったりの「お薬に頼らない、副作用の少ないこころの治療」のTMS治療を行っています。

「女性の身体に優しい治療がしたい」「できるだけ薬に頼らずこころの不調に向きあいたい」という方へTMS治療はお勧めです。

TMS治療とは?

TMS治療は海外に10年遅れて2019年6月に保険診療になったばかりでもあり、海外のTMS治療の知識と専門性をもつか、経験症例数や、プロトコール、日本全体の他医療機関との医療連携を実施しているかなど、TMS治療の専門性に大きく違いが存在します。

研究をもとにしたTMS治療の文献では、一般的にTMS治療は3-4割の効果が認められるとされています。

当院では、研究プロトコールではなく、より治療効果を高めるための臨床プロトコールと臨床TMS治療機器を採用し8-9割の効果をみとめています。

 心の不調(うつ病)治療法 

  1. 薬物治療:抗うつ薬などの治療
  2. 電気痙攣療法:人為的に頭部に電気を流して痙攣発作を誘発する
  3. TMS治療:頭部にコイルを当てて脳を磁気刺激する治療
  4. 精神療法:認知行動療法等のカウンセリング

副作用も少なく 安全性が高いTMS治療は

「くすりが怖い」、「くすり による治療でもなかなか改善しない」という方におすすめです。

憂うつ気分とTMS治療の文献

お薬の治療では消化器症状や奇形、認知機能の低下、電気痙攣療法の副作用である記憶障害などの認知機能障害がありますが、TMS治療は軽い頭痛や軽い吐き気など副作用が少ないことが特徴です。
お薬よりも、副作用が少なく抗うつ効果が高い治療として世界ではTMS治療はうつ病の標準治療になっています。
勉強に影響がでるかもと心配する学生さん、仕事の集中力に影響するかもという社会人、妊活や授乳中など女性と子供にも優しい治療です。

当院の特徴とクリニック比較

どの病院もクリニックも同じTMS治療を行っているわけではありません。

TMS治療は2019年6月に保険診療になったばかりでもあり、世界標準にみたないTMS治療の教育水準や少ない経験数など専門性、治療法や医療連携の大きさなど実施する医療機関によって大きく違いが存在します。

当院のTMS治療効果

どの病院もクリニックも同じTMS治療を行っているわけではありません。

TMS治療は海外に10年遅れて2019年6月に保険診療になったばかりでもあり、海外のTMS治療の知識と専門性をもつか、経験症例数や、プロトコール、日本全体の他医療機関との医療連携を実施しているかなど、TMS治療の専門性に大きく違いが存在します。

研究をもとにしたTMS治療の文献では、一般的にTMS治療は3-4割の効果が認められるとされています。

当院では、研究プロトコールではなく、より治療効果を高めるための臨床プロトコールと臨床TMS治療機器を採用し8-9割の効果をみとめています。

心理検査改善割合

※うつ状態と集中力を評価する心理検査

TMS治療による効果

  • 忙しい中でも頭をスッキリと仕事と家事の優先順位をつけやすくなる
  • 手を付け始めるハードルが低くなる
  • 客観的に自分の状態をみれるようになる
  • 些細なことは受け流せるようになる
  • 朝前日の疲れを持ち越しにくくなる
  • 夜に自然に眠りやすくなる
  • つねに緊張状態で身体に力が入っている状態から肩こりがしにくくなる
  • 朝スッキリ起きれるようになる

更年期には睡眠のケアが重要

  更年期女性の半数がなるといわれている不眠 ~あなたの眠りは正常ですか?

~不眠度 セルフチェック~

  • ベッドに入って30分以上寝付けないことがよくある
  • 夜中に何度も目が覚め、再び眠るまで時間がかかる
  • 予定の起床時間より2時間以上早く目が覚めてしまう
  • 睡眠時間に関わらず、ぐっすり寝た気がしない
  • 朝、すっきり起きられず、身体がだるい
  • 日中眠気に襲われ、ついボーっとしてしまう
  • 睡眠不足で気分が滅入りがち、またはイライラする
  • どうも疲れやすく、あまりやる気がでない
  • 平均睡眠時間が6時間以下である
  • 休日は平日よりも2時間以上睡眠時間が長くなる

過去1か月で何度か経験している項目が3つ以上ある方はほぼ不眠状態に陥っていると思われます。当てはまる項目が多いほど不眠レベルが高いといえます。

加齢に伴って睡眠は浅く、短くなるものですが、更年期はほてりやのぼせなどが原因で熟睡感を得られなくなる女性が多いようです。

「寝つきが悪くなってきた」「途中で何度も起きてしまう」「寝てもスッキリ感がない」

眠れないといろいろな疲労もストレスも回復できなくなるので優先して改善してあげましょう。

TMS治療では、閉経を遅らせたり、エストロゲンを分泌させたりすることはできませんが、脳の血流や脳のネットワークを調整します。

調整することで、女性ホルモンの減少によるこころの不調や自律神経の乱れを緩和します。

集中力・記憶力などのパフォーマンス低下は睡眠不足が原因?←ここをクリック!

症例紹介

50代 女性 看護師   主訴:仕事の集中力を維持させたい

50歳頃より月経周期が乱れ始めそれに伴い感情のコントロールがつかなくなり、なんでもないことで夫と口論になってしまうことが増えました。仕事が忙しいことも原因だったが疲れやすくなり家事が疎かになりはじめました。朝起きたとき全身の関節が強ばり痛みで起き上がることができなくなりました。仕事にも影響が出始めスムーズに業務がこなせないことで気持ちの落ち込むようになりました。「更年期かも?」と思いましたが女性として終わりのようで、婦人科への一歩が踏み出せずにいました。そのうちイライラだけではなく、涙がでたり感情的になり「いつもの自分ではない」なんとかしないといけないと焦り始めた。抗うつ薬内服を検討したが仕事中に眠気がきてしまうことに不安があり、ネットで調べたところ「薬を使わないうつ病治療」を知り、TMS治療を受けてみようと受診した。ベーシック治療を5〜6回受けたところで気分がスッキリしてきたと話されていました。婦人科にも受診。エストロゲン定量検査をし、医師にはっきり「更年期ですね」と診断された。落ち込むかと心配していたが、ご自身でも意外とあっさり受け入れることができた、と話されていました。1日でも早く関節痛改善したいとのことで、すぐにホルモン補充療法をTMS治療と並行しながら開始した。その後、更年期症状は改善し気分が落ち込むこともなく過ごされており、月2~3回メンテナンス治療に通われています。

40代 女性 主婦    主訴:片付けができない

38歳で不妊治療を経て双子を出産し、2児のお母さんとして家を守っていました。自分の物はもちろん、子供の物、家族の物など、年々増えていく物の整理・収納に悩み、数ヶ月前から特に片付けが億劫になって 片付けたくても「どうしても行動に移せない」「物を捨てることができない」と夕方から夜に「今日も一日なにもできなかった」と気持ちが落ち込んでいました。やりたいと思っていることができないことを辛く感じ、ほかの人が当たり前にできていることができない自分はダメな母親だ、と落ち込み始め、日常から涙が勝手に出るようになり、胸のつまりや喉のつまりを感じるようになった。元々は明るく、前向きな性格出会ったことから、特に夫や子供が心配するようになり当院受診となりました。当院初診時、集中力の心理検査が14点(8点以上で不調)と頭にモヤがかかったようにボーっとする集中力の低下を自覚されていました。 TMS治療を開始し、4回目のTMS治療終了の夜から頭がすっきりした感じがすると夜の献立の相談を笑顔でされ、効果を実感されていました。 週に3回のTMS治療を開始し、TMS10回目には、心理検査が6点(8点以上で不調)と改善し、片付けもできるようになったと喜ばれていました。TMS20回目からは週1回のTMS治療に変更し、現在では2週に1回メンテナンスTMS治療を行っています。TMS治療に来てから自分の心身のケアの時間がとれるようになり、今まで以上に子供にも夫にも愛情を感じるようになったと喜ばれていました。

40代 女性 会社取締役  主訴:部下にイライラしてしまう

入社後、会社で初めての女性管理職となり、その後独立しバリバリ働かれてきた女性です。 複数の会社の社外取締役としてそれまで、仕事への充実感を感じながら世界を飛び回っていましたが、コロナ禍で海外への渡航ができなくなり日本で過ごすようになりました。コロナ禍のために連絡がメール、SNSが多くなったことで常に携帯から情報が入ってくるようになり、「脳がハッキングされている」感じがすると当院へ受診されました。 海外へ行ってストレス解消がしづらくなったことも関係しているかもしれませんが、ご自身でもおかしいと思うほど、部下の何気ない一言やちょっとしたミスが許せず感情が爆発しカッとなり、怒りをぶつけてしまうことにお悩みでした。 当院初診時、集中力の心理検査が21点(8点以上で不調)と焦燥感が強く、おちついて物事を考えられなくなっている状態でした。TMS治療を開始し、3回目のTMS治療終了後、夜考え事をして眠れなかったのがスっと眠ることができたと喜ばれていました。 なるべく短期間で治療を行いたいとのことで、7日間の集中治療を行い、TMS治療30回目には、心理検査が2点(8点以上で不調)と改善し頭がスッキリし、自分らしさを取り戻すことができたと話されていました。TMS30回目以降、大阪や日本全国へ飛び回る傍ら、東京に戻ったときに3日間でブースト治療を行いながら今まで以上に仕事をこなし、生き生きと過ごされています。