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医療コラム

TMS治療、PCR検査を中心に、医療にまつわるコラムを掲載しています。

慢性疼痛~線維筋痛症~のTMS治療(2020.11.07更新)

慢性疼痛とは

人間にとって「痛み」はいわゆる危険信号としての役割があり、自分の身を守ってくれるものでした。しかしながら、危険信号の役割を超えて「痛み」が長く続くと、日常生活に支障をきたして生活の質が落ちてしまいます。

慢性疼痛とは、国際疼痛学会(IASP)で、「治療に要すると期待される時間の枠を超えて持続する痛み、あるいは、進行性の非がん性転移に基づく痛み」と定義されています。日本では明確な定義はありませんが、発症から3ヶ月を超えて症状が持続する病態とされることが多いです。

痛みの原因

慢性疼痛では痛みの原因による分類が重要です。

痛みの原因や状態により、適切なアプローチが異なるため、まずはご自身の「痛み」について知ることが重要です。痛みの原因による分類では、器質的な痛みを侵害受容性疼痛と神経障害性疼痛に分類し、それ以外は機能性疼痛症候群、中枢性機能障害性疼痛などを含む「Nociplastic Pain」に分類しています。

機能性疼痛症候群は、機能性身体症候群(Functional Somatic Syndrome:FSS)の概念に含まれるもので、過敏性腸症候群、慢性疲労症候群、線維筋痛症など、器質的原因を明らかにできない持続的で特異な身体愁訴を特徴とする症候群を指します。

 

侵害受容性疼痛

ケガや火傷をしたときの痛みです。ケガの炎症により末梢神経にある「侵害受容器」という部分を刺激するため、「侵害受容性疼痛」と呼ばれます。

切り傷や火傷、打撲、骨折、関節リウマチや変形性関節症、肩関節周囲炎(いわゆる五十肩)などがあります。原因のケガや病気が長引くと、慢性の痛みとなるものもあります。

神経障害性疼痛

何らかの原因により神経が障害され、それによって起こる痛みを「神経障害性疼痛(しんけいしょうがいせいとうつう)」といいます。坐骨神経痛、頚椎症、糖尿病の合併症に伴う神経障害疼痛などがあります。40代以上に多く、日本では約600万人以上※の患者さんがいると推定されています。

Nociplastic Pain:線維筋痛症

線維筋痛症(Fibromyalgia)は,Nociplastic PainのFSSの一つであり、3カ月以上持続する原因不明の全身痛を主症状とした,精神・自律神経系症状を伴う慢性疼痛疾患です。中高年の女性に多く,日本では推定200万人以上の患者がいるとされています。

FSSの病態ははっきりとは解明されていませんが、脳内の神経伝達物質であり、不安や痛み、睡眠、食欲、呼吸など身体機能をつかさどるセロトニンとの関与が示唆されています。

参照

痛みの情報サイト - 疼痛(とうつう).jp

「慢性疼痛」の治療法

  • 薬物療法
  • 神経ブロック
  • 理学療法
  • カウンセリング
  • リラクセーション法
  • 漢方・鍼灸等の補完療法など

多岐にわたる手法を用いる

近年ではTMS治療による「慢性疼痛」の治療が行われています

慢性疼痛に対するTMS治療の機序

一次運動野を刺激することで、前帯状回、背外側前頭前野、前頭葉眼窩面に刺激が伝わり、痛みの情緒的な面へ作用する。視床の感覚中継核に作用し、痛みの伝導を軽減する。脊髄まで刺激が伝わり、交感神経遮断を行うなどの複合的メカニズムが想定されている

参照

慢性疼痛に対する標準的刺激治療

齋藤 洋一 大阪大学大学院医学系研究科脳神経機能再生学

神経障害性疼痛に対するTMS治療

神経障害性疼痛へのTMS治療が行われています

線維筋痛症に対するTMS治療

TMS治療は線維筋痛症の痛み、倦怠感に効果があります。

Nociplastic Pain:線維筋痛症に対する日本のTMS治療

線維筋痛症の疼痛に関しては、高頻度rTMSによる観測運動野刺激が有効と平成21年~23年の厚生労働科学研究補助金で行った結果では、5Hz、90%MT、500回刺激で有意な除痛効果を示し、問題となる有害事象はなかった

症例

49歳 男性 ステロイド治療後の慢性疼痛

TMS治療で慢性疼痛を改善したい

持病に対し、ステロイドの治療を行ったところ、1年前より筋肉が痩せ全身の身体の痛みを自覚し始めました。

身体全体の痛みにお悩みで、寝つきまで時間がかかり、睡眠薬を服用しているものの途中で目が覚めてしまい朝までぐっすり眠れない状態が続いていました。また、記憶力・思考力の低下を自覚されており、脳と身体をしっかり整えたいと希望され初診となりました。

初診時SDS 47点と軽度のうつ状態であり、TMS治療を1日2回、ほぼ毎日受けられたところ、3日目には背中の痛みをほとんど気にされなくなり、歩きにくさが改善されました。約1週間後のTMS治療開始10回目でSDS 35点となり、うつ状態が改善されました。TMS治療15回目には睡眠薬なしでもぐっすり眠れるようになり、TMS治療18回目には全体的に多少身体の痛みはあるものの耐えられないほどではなく、夜は深く眠れているようです。

眠れていることで気持ちが前向きになっているとお話しされていました。

37歳女性 線維筋痛症

痛みから解放され活発に動けるようになりたい

4年前の仕事と人間関係のストレスがきっかけとなり、後頭部から首、背中全体にしびれるような鈍痛があり

長時間座っていられず、また、痛みやしびれが出た後に吐き気がある、視界の色味が黄色っぽくなって文字が読めない、頭重感があるなどの不調で来院されました。

初診時SDS 58点とうつ状態であり、TMS治療を1日2回、週3-4回の頻度で開始しました。

TMS治療1回目から首のまわりが動くようになりました。TMS治療5回目でSDS 44点となり、うつ状態が改善されました。体の痛みもだいぶ軽減され、治療前は座っていると気持ち悪くなっていた状態が、1時間くらいは座って本が読めるようになりました。

TMS治療15回目には体が軽くなってきて、夜に少々痛みを感じるものの、日中は背中や目の痛みは気にならない程度まで改善されました。現在も順調に治療を継続中です。

料金

慢性疼痛 の TMS治療

慢性疼痛プロトコール ベーシックTMS治療:4,500円/回(税別)

20回(セット)+10回(フォローアップ)

https://tms-clinic.jp/?p=1120

ネット依存~スマホ・PC・ゲーム依存~(2020.11.07更新)

ゲーム依存とは?

インターネットやゲームを「好き」で「やりすぎる」ことと「依存する」ことは違います。「スマホやPCを触っていない時間があるとそわそわしてしまう」、「睡眠時間を削ってネットやゲームをしてしまい、朝すっきり起きれない」、「ネットやゲーム、スマホについて注意されるとイライラしてしまう」ような状態になるとイエローカードです。

20歳以上成人のゲームプレイ状況は増加傾向にあります。20代では約80%の人がゲームプレイをしていることがわかっています。

ゲーム依存はなぜおこる?

インターネット・ゲーム依存では前頭前野の機能低下により、衝動や感情などのコントロールが難しくなります。

報酬に関連した刺激や樹夫興が海馬に記憶され、依存形成が進みます。前部帯状回は嗜癖行動とそれにより得られる報酬と関連づけ、行動の選択・制御を行い、ドパミン伝達により衝動を制御する前頭前野の機能を低下させます。

インターネット・ゲーム依存は大脳基底核の「報酬系」の反応の欠乏により、ゲームから離れるとイライラしてしまう状態になります。脳内報酬系を中心とした脳の各部位における形態的・機能的障害が報告されおり、感情のコントロールを行う背外側前頭前野と線条体の機能的結合が減弱していることが知られています。

インターネット・ゲーム障害の要因

インターネット・ゲーム障害になる要因は1つではありません。心理的社会的な要因や合併精神障害、インターネットの早期からの頻回な使用など、いくつもの要因が重なっています。インターネット・ゲーム障害には「促進要因」と「抑制要因」がいくつもあり、バランスが重要です。促進要因をたくさん持っていたとしても、抑制要因の一つが十分に重かったり、抑制要因の方が多く持っていればゲーム障害に陥らずにすむかもしれません。

ゲーム依存チェック

ゲームの依存度合いのセルフチェックをしてみましょう

インターネット依存チェック

インターネットの依存度合いのセルフチェックをしてみましょう

参照

ネット依存・ゲーム依存がよくわかる本  樋口 進

医学のあゆみ ゲーム依存 271巻6号 

インターネット・ゲーム依存の治療法

1.クリニック:精神療法

カウンセリング・モニタリング・認知行動療法・運動習慣・集団精神療法

2.精神科専門病院:デイケア

NIPプログラム(New Identity Program)

週1回のプログラム:朝9時半~15時過ぎまでのデイケア

3.精神科専門病院:入院

治療キャンプ(1週間)

精神科病棟に入院(2ヶ月)

4.TMS治療:週3-5回 4週

依存に対する脳のケア

参照

ネット依存・ゲーム依存がよくわかる本  樋口 進

医学のあゆみ ゲーム依存 271巻6号 

TMS治療

TMS治療では前頭前野を刺激することにより、前頭前野の衝動や感情のコントロール、実行機能を調整します。

料金

ネット依存に対するTMS治療

ネット依存プロトコール ベーシックTMS治療:4,500円/回(税別)

20回(セット)+10回(フォローアップ)

※周囲と本人の精神療法を組み合わせることもおすすめします

https://tms-clinic.jp/?p=1120

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